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インタビュー

財団法人生涯学習開発財団 認定コーチで、AUBE*PROJET(オーブ*プロジェ)代表の黒田晴美さん。

コーチとして、神戸を拠点に海外や日本全国のクライアントさんとのセッションやセミナーを柱にご活躍中です。コーチングとの出逢い、小学生二児の母でありながらも、バイタリティあふれるご活躍をされる秘訣、そして、これからの想いをお話しいただきました。

 

Q:コーチングと出逢ったきっかけを教えていただけますか?
A:2000年のことです。ある雑誌記事に「その人の強みを引き出して伸ばす」という内容で掲載されていたのを目にしたのがきっかけです。

学生時代、アルバイトしていた店の店長が、とてもスタッフの力を引き出すのがお上手な方で「店長のようになりたい!」と憧れていました。彼の下だとみんなが生き生きと嬉しそうに、自発的に動き出すんです。

自分も店長として彼のようになるために、「どうしたらいいんだろう」と模索していた最中でしたので、答えがわかった気持ちになりました。

 

Q:それ以来、コーチングで学んだことを実践していかれるわけですね?

A:そうです。

「より本格的にコーチングを学びたい!」と思い、夫に必要性や将来性、ヤル気を必死でプレゼンしました(笑)

最初は、コーチングに関する情報がほとんどなかったために不審がっていた夫も、1年間私の想いが変わらないのをよく理解してくれ、その年の私のボーナスをそのまま充てる形で、coach21(現在のコーチ・エィ)の講習を受けることができました。

学んだことを即実践し、毎日の業務の中での声のかけ方、スタッフとの面談、指示の仕方を工夫してみました。

それまでは、「そんなことしちゃダメだよ!」などと伝えていましたが、「売上げを上げるためにどうしたらいいと思う?」「お客様にもっと満足していただくには、どんなことをしたらいいかなあ?」など質問をなげかけるようにしてみると、次々とアイディアが出てきました。

それまでは、「こんなことをしたら怒られるんじゃないか」とおどおどして、言われたことしかできなかったスタッフたちも、「こうしてみましたが、どうでしょうか?」などと積極的に業務に関わるようになり、目に見えて変わっていきました。

 

Q:コーチングのことをどのように捉えてらっしゃいますか?
A:コーチングのコーチは、教師やカウンセラー、トレーナーとは違います。

自分の思うように相手を変えるものでもありません。

「あなたはどうしたい?」とクライアントさんの本質を導き出す存在だと捉えています。

私は、気持ちの良い言葉だけを伝えるわけではありません。時には厳しい言葉も伝えますし、わざと逃げている部分は、「今、問題から逃げたね。でも戻って考えてみようか」と向き合うこともあります。クライアントさんには「愛ある鬼」や「アメとムチ」と言われています。

お母さんの声で多いものに「うちの子、何とかなりませんか」「どうして言うことを聴いてくれないんでしょうか」というものがあります。

そういう方には「お子さまを変えることはできません」「その子が本当は何を言いたいのか、しっかり聴きだしましょう」「お子さまの良いところを引き出しましょう」とお伝えしています。

 

Q:男女含めて、小6から50代まで幅広いクライアントをコーチングしてきた中で、ママと子どもに対しては譲れない想いがおありと伺いましたが。

A:はい。私は、子どもに夢を諦めて欲しくないと思っています。

子どもの世界はとても狭いですよね。周りにあるものだけが世界の全てでしょう。

その中で、夢を抱いても「無理だ」と思ってしまうことは多いんです。

親自身も「無理だ」と思っていることも多いです。

そこで私は「無理じゃない道」を見出せる力と心を、共に育みたいと思っています。

たとえば、保育士になりたいという夢があるとします。

そこで「大学行けないから無理」と思っている子に対しては、他の道はないのか一緒に探します。

あるいは、「どうして保育士になりたいのか?」と質問し、その答えが「子どもと触れ合いたいから」であれば、保育士以外に子どもと触れ合える道はないのか投げかけます。

私自身、中学生の頃、保育士になりたいと漠然と思っていましたが、親にも訊かれないので特に話していませんでした。それを初めて叔母が「将来何になりたいの?」と訊いてくれたので、ドキドキしながら話しました。

すると叔母は「え~!?辞めとき~!看護師になりなさいよ!」と言いました。

叔母としては自分の娘二人も看護師をしていたので、そちらの方が何かと良いとアドバイスのつもりだったのでしょうが、とてもショックでした。体中の力が抜けましたよ。

自分でも調べて、ピアノが弾けないから無理だ…、大学に行けないなら無理だ…と保育士を諦めました。

でも、思えば自分の本気度や覚悟が足りなかったと思っています。

そんな私のように条件的に難しかったり、やり方がわからなかったり、親にも知識がなかったりするとき、本気であるならば、あきらめないでほしい。

共に考えることで、どういう状況でも自分の力で人生を選択し、生きていく力や思考力を培えたらと思います。

また、親に対しては、家庭力や親力がアップするようにサポートしています。

母親が笑顔で、家庭が円満であれば、家族全員がエネルギーチャージできます。お互いの価値観を理解しあえる土台にもなります。大きな話、世界平和につながると思っています。

目標設定するセッションの他に、友達との関係(不登校・いじめ・コミュニケーション)に悩むお子さまも多いので、それらにどう対応するかという「こころ」を育てるセッションも多数行っています。

 

Q:小学生のお子さまお二人の母親でもありますね。そんな状況でも、いつもアクティブに行動しておられますが、ご家族との関わりで気を付けておられることはありますか?
A:子どもたちが保育園に行っている頃は、「一緒に行く~!」とすがりついて泣かれたこともありました。

そこで、子ども達には、私の仕事について「ママたちがニコニコになるようにお仕事してる」と伝えてみました。

すると、「今日も、ママたちをニコニコにしに行くんでしょ!がんばってね!」と言ってくれるようになりました。

早朝、東京などへ行く必要があるときも「どうしてもやりたいお仕事があって、朝早くに家を出なくちゃならないんだ。助けてくれる?」と訊ねると「パパに起こしてもらう!」「6時に一度電話して!」「ちゃんとパンも食べられる。飲み物も飲める。準備もできる!」などと言ってくれます。いつもよりも準備が早いくらいです。そして、帰ったらしっかりと「今日もありがとう」とお礼を言うようにしています。

すると、最近では頼んでいないお手伝いまでしてくれるようになりました。子どもたちに「任されている」悦びがあるんでしょうね。

夫も、私が何をしていたら一番輝くのかを理解してくれ、協力してくれますので、本当に感謝しています。

 

Q:AUBE*PROJETの屋号にこめられた想いとこれからの夢をお話しください。

A:AUBE*PROJETはどちらもフランス語で、AUBEは日の出、PROJETは英語ではプロジェクト。目標を達成するための計画を表します。

その人の人生が日の出のようにぐんぐんと上昇していくのをサポートしたい、そして、私の強みに戦略性や共感性があるので、どうしたらよりあなたらしく上昇できるのかを考え、あなたの強みを大切に、実行するためにサポートしたいという想いで付けました。

状況によって、できない理由はいくらでも挙げられますし、無理だと思い込んでしまうこともありますよね。

クライアントの本気で頑張りたい!という思いを大切に、その方の「どうしたい」を共に探り、足元をしっかりと見つめ、立ち上がって自分の力で歩いていくサポートをしていきたいです。

インタビュアー:馬木あづさ Hosnico

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