「これじゃ、ダメだよ」
と言われた時と
「お、いいね、それ。だけど、こうしたらもっとよくなるかもね」
と言われた時、
あなたはどちらがやる気になりますか。
「これじゃ、ダメだよ」
これは、理想の姿があって、
現状と理想を比べて、そのギャップを伝える方法で
『ギャップアプローチ』といいます。
「お、いいね、それ。だけど、こうしたらもっとよくなるかもね」
これは、相手をまず受け入れてから、
その後で改善点を提案する方法で
『ポジティブアプローチ』といいます。
どちらがやる気になるかは、明白です。
こうした、コーチングやチームビルディングで
使われる手法を体感で学べるのがインプロです。
インプロって何のこと?
インプロとは「インプロヴィゼーション」のことで、
台本のない即興演劇のことです。
インプロは、元々は俳優のトレーニングとして開発されたものですが
現在では、企業研修や教育の場でも
「応用インプロ」として活用されています。
なぜ、俳優のトレーニングであるインプロが
コーチングやチームビルディングにも役立つのでしょう。
その理由はたくさんあるのですが、
今日はその中の3つをお伝えします。
① 失敗を恐れずチャレンジする
② 何があっても共に創っていく意識
③ 相手を受けとめることで信頼関係を築く
です。
①失敗を恐れずチャレンジする
インプロには台本がありません。
何が正解かはない中で進んでいかなくてはなりません。
相手のオファーを受けて、一瞬で判断し、
自分のアイデアを返す。
ちぐはぐになることもありますし、
てんぱってしまうこともあります。
しっくりこないと感じても、とりあえず、やる。
自分の心の動きや葛藤、
つい選んでしまう行動パターンに気づくこともあります。
「あちゃー、失敗した」
次の瞬間にはすぐ立ち上がり、
一歩を踏み出す。
そして、相手の失敗も責めない。
そもそも失敗ではなく、
チャレンジの証。
それを体感で学べます。
②何があっても共に創っていく意識
インプロの中では、
相手に自分をゆだねるワークもたくさんあります。
即興ですから、次に何が起こるかはわかりません。
自分の想像の範囲を超えていく中で
前に進もうと思ったら、
相手を信じるしかありません。
自分にだけ意識を向けるのではなく
相手にも意識を向けて、
何を考えているのか、感じ取ろうとします。
そうすることで、
意識の守備範囲がどんどん広がっていく気がします。
コーチングでも、
コーチが自分の中にばかり意識を向けて
次に何を言おうかと考えていたら
目の前のクライアントさんの言葉を
聴き取ることができません。
相手に意識を向けて感じ取ることは
コーチングのトレーニングにも
大変役に立ちます。
③相手を受けとめ信頼関係を築く
インプロで「YES,and」という言葉があります。
相手のアイデアを、まずは「YES」と受けとめ、
その後で「and」と自分のアイデアを伝え、
共にシーンをつくっていきます。
相手が突拍子もないアイデアを出してくることや
自分が想定していたものと、
まるで違うものを出してくることもありますが
「なにそれ?」「それって変だよ」「ふざけすぎだ!」
というような言葉をぐっと飲みこみ、
まずは「いいね!」と受けとめてみます。
そして、相手のアイデアを受けとめながら、
共に進もうとすることで、信頼関係が築けてきます。
相手を信頼し、
何があっても共に未来へ向かおうという意識は
チームをつくっていく上でも、
なくてはならないものです。
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